●保険で可能なにきび治療
a)抗生物質の外用剤(アクアチムローション・ダラシンTゲルなど)を使いニキビ菌を殺して毛穴の炎症を抑えます。
b)その他の外用剤(イオウカンフルローション・スタデルムクリームなど)を使いにきびの炎症を抑えます。
c)新製品の外用剤:ディフェリンゲル にきびの原因となる面皰形成を抑えます。
d)
ビタミン剤(B2・B6・ビタミンC)の内服で皮脂の分泌亢進を抑制。皮脂の酸化、炎症を抑えます。炎症後色素沈着を予防します。
e)抗生物質の内服。テトラサイクリン系の抗生物質(マクロマイシン・ミノマイシン)は、ニキビ菌を殺す作用に加え、ニキビ菌の作るリパーゼ(皮脂を分解して炎症を起こす脂肪酸を作る作用がある)を抑えます。マクロライド系(ルリッド・クラリスなど)もニキビ菌を殺して炎症を抑える効果があります。
f)面疱圧出:毛穴のつまりを取り除きます。
g)漢方薬の内服。排膿散及湯、清上防風湯などを使います。
h)ジオール:皮脂の分泌抑制作用によりニキビを抑えます。
●保険ではできないにきび治療
a)ケミカルピーリング&イオン導入
思春期にニキビができなかったにもかかわらず、大人になってから、ニキビができるようになったという人がよくいます。これは、化粧をするようになって毛穴の出口に角栓(古い角質が詰まって毛穴を塞ぐ)ができることが原因です。
ケミカルピーリングは、皮膚にフルーツ酸などの酸性の薬品を塗布することにより、皮膚表面の古い角層を剥離し、細胞に刺激を与えて皮膚の新陳代謝を促進・正常化する治療法です。
当院では、グリコール酸にて行っております。また、当院では、ピーリング後にリン酸型ビタミンCによるイオン導入とセットで行います。
ニキビの程度、肌の状態にもよりますが、当院ではまず、1〜2週ごとに計5回を1クールをして行います。改善がみられたら2〜4週間に1回、メンテナンスをします。ニキビができなくなれば、ホームケア製品などでフォローしていきます。
b)レチノイン酸
レチノイン酸は、皮脂腺を萎縮、機能を低下させ、角栓(毛穴に蓋をしている角質)をはがれやすくすることによってにきびをなおしていきます。欧米では、ニキビ(アクネ)治療の第一選択となっています。日本では、まだ一般化していませんが、当院では治療に積極的にとり入れております。跡の残りやすいニキビ、深いニキビ、ピーリングでもなかなか治らないニキビの場合には、レチノイン散の治療を行います。
C)院内化粧品(ホームケア)
リン酸型ビタミンCローション(VCローション)
リン酸型ビタミンCは、普通のビタミンC (アスコルビン酸)と異なりプロビタミンC(リン酸アスコルビン酸Na)といって皮膚に大量に吸収される誘導体が成分です。
皮脂分泌抑制、抗炎症作用、抗酸化作用を認め、にきびに効果があります。
グリコール酸ローシション
古い角質を剥離。にきび・にきび跡に効果があります。
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